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使用に基づく特例の適用についての経過措置

使用特例商標登録出願
改正法施行前より使用された結果、その使用によって蓄積された業務上の信用や既存の取引秩序を維持するためには、継続的使用を認めるばかりでなく、その商標を出願した場合には未使用の商標に優先して商標登録する必要性があります。

特例期間中に出願された小売等役務を指定役務とする出願同士が競合する場合は、出願人は、その出願した商標が改正法の施行前から日本国内で不正競争の目的でなく自己の業務に係る小売等役務について使用している商標について商標登録を受けようとするものであるときは、使用に基づく特例の適用を主張することができます。
この主張は、2以上の同一・類似の特例小売商標登録出願が競合して、協議が命じられた指定期間内に行うものです。
使用に基づく特例の適用が認められる特例小売商標登録出願は、特例の適用を受けない出願に優先して商標登録を受けることができます。

特例が認められる出願が複数ある場合は、他人の周知・著名商標と抵触しない等の他の登録要件を満たせば双方とも登録されます(重複登録)。

さらに、改正法の施行前から使用している小売等役務に係る商標には、需要者の間で周知となっているものもあり、それらの周知商標同士が類似することも考えられます。
そこで、同一又は類似の関係にある周知な小売等役務に係る商標が複数併存している場合には、その使用特例商標登録出願については、他人の周知商標と同一又は類似の関係にあったとしても、これを理由として登録を拒絶されません。
ただし、当該他人の周知商標の方が著名と認められ、出所の混同を生ずるおそれがあるときは、商標登録を受けることができません。

重複登録された当事者間で、問題が生じた場合には、以下の措置をとることができます。
(ⅰ) 混同防止表示請求
重複登録の他方の商標権者等の登録商標の使用により業務上の利益が害されるおそれがある場合、商標権者等は、混同防止表示を付すべきことを請求できます。
(ⅱ) 取消審判の特例(商標法第52 条の2 の準用)
重複登録に係る商標権者が、不正競争の目的で自己の登録商標の使用をして、重複登録の他方の商標権者等との間で混同を生じさせた場合、誰でも、商標登録の取消審判の請求ができます。

使用に基づく特例の適用を主張するための手続
使用に基づく特例の適用を主張するためには、協議命令の指定期間内に、使用に基づく特例の適用を主張するために、下記を証明するための証明書類を提出しなければなりません。

(1)出願に係る商標が使用されていること。
出願に係る商標と使用に係る商標は、原則として同一であることが必要です。
(2)出願に係る商標が平成19年3月31日以前から使用されていること。
単に、平成19年3月31日以前において使用していたことがあるという事実だけではなく、その使用が査定時においても継続していることが必要となります。
(3)出願に係る商標が日本国内において使用されていること。
使用に基づく特例の適用は、日本国内において使用されている商標の使用の結果、蓄積される業務上の信用を保護するものですから、日本国内において使用していなければなりません。
(4)出願に係る商標が小売等役務について使用されていること。
出願に係る商標を使用しているのが小売等役務についてであることを証明しなければなりません。その際には、「顧客に対する便益の提供」の具体的内容ばかりでなく、出願人が自己の小売等役務において取扱う商品は具体的にいかなるものかが証明されている必要があります。
(5)出願において指定した小売等役務が、上記(4)の小売等役務であること。
指定役務である小売等役務と実際の使用役務である小売等役務が同一であるか否かを判断することになるため、証明書類から使用役務が具体的にいかなる小売等役務であるかが明確に判別できることが必要です。
(6)商標の使用が出願人によるものであること
原則として、商標の使用者は出願人でなければなりません。

使用に基づく特例の適用を認めないとの心証を得た場合には、出願人に反論の機会を与え、出願人の反論をもってしても審査官の心証が変わらないときは、くじの実施の通知または拒絶査定となります。

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